読んだ本の数:6冊

■自由さは人を自由にする つれづれノート22 (角川文庫)
一時期のつれづれは、図書館で借りて読んでいました。最近は本屋で買って読んでます。私は銀色さんの感じ方、物事に対するとらえ方が好きです。いつもお風呂でゆっくり半身浴しながら少しずつ読んでいます。ところどころの光る言葉を読み返しながら・・・。これからも、ずっと読み続けていきます。
読了日:5月23日 著者:銀色 夏生

■毒の事件簿 ~歴史は毒でつくられる~ (知りたい!サイエンス)
中学生の子供に借りた本だったが、自分でも興味深く読んでしまいました。毒って自分と縁遠いものだと思ったけれど、案外身近に生息しているものなんですね。歴史も深いし、毒を扱ったひとつひとつの事件をもっと掘り下げて読み込みたいと興味を持ちました。
読了日:5月23日 著者:斎藤 勝裕

■ふる
この作家の作品は2冊目です。なんだか不思議な曖昧さを持つ文章を書く方なんだなぁと想いつつ読み進めました。関西弁のやりとりの会話が面白く、あらゆるところに出番がくる「新田人生」に惑わされながら、主人公花しすの受動的性格に不可思議さを感じました。人との会話をICレコーダーで録音する花しす。同居する友達の能動性に憧れを持っている花しす。同居解消後、花しすはどんな風に生きていくんでしょう。
読了日:5月23日 著者:西加奈子


■色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
今作も興味深く読み進められました。登場人物が特定のカラーを割り振られ役割を与えられており、色の特徴や順序の組み合わせを解くことに集中しました。つくるには、これまでの人生の欠損を埋めるためにも、また繋ぎ合わせるためにも、沙羅を手に入れてほしいと祈りを込めて読み終えました。
読了日:5月19日 著者:村上 春樹


■事実婚 新しい愛の形 (集英社新書)
読了日:5月16日 著者:渡辺 淳一


■ソロモンの偽証 第I部 事件
この作家の作品は、読み込むのにとても時間がかかる。それだけ丁寧に人物描写がされているから。私は長編が大好きなので、時間をかけてコツコツと読んだ。中学生の頃ってこんな風に物事を単純にとらえたり、あるいは複雑に受け止めたり難しい年頃だったなぁと想いを巡らせた。嫌でも毎日学校に行き、好きでもない友達とでも笑って付き合わないといけなくて、なんて狭く窮屈な世界で生きていたんだろう。人間の悪意って怖い。担任のモリリンが憔悴していく様が、あまりにも痛々しくて気の毒に感じた。
読了日:5月5日 著者:宮部 みゆき


読んだ本の数:7冊

■相似と選択 つれづれノート(20) (角川文庫)
結局読み続けてしまうつれづれ。私は銀色さん一家のメンバーのキャラにすっかり、馴染んでしまってます。考え方やふとした一説、言葉、表現、会話・・・時々心の腑に落ちてきます。
読了日:4月30日 著者:銀色 夏生


■ヘルタースケルター (Feelコミックス)
りりこの生き様が凄まじいです。でも、付き人とその彼まで退屈の紛らわしに使う根性は蔑みます。基本的に性分がねじ曲がっているのですね。見た目はともかく中身まで環境に引きずられている気がしますが、業界では並の魂ではやっていけない厳しさもあるのですね。その辺りの生々しさがよく描かれていると思います。
読了日:4月25日 著者:岡崎 京子


■二重生活
他人を尾行するなんて大胆ですね。主人公の珠が、近所の石坂や愛人を尾行する場面はハラハラドキドキしながら、読みました。最後の珠の行動も、はぁ倦怠感というのは人を嗜癖の分野へ駆り立てるものなんだなと思いました。同棲相手の卓也と雇用主の女優桃子との間には、絶対何か秘めたものがあると思いますが。珠が石坂と隠れて会ったように、秘密って誰しもひょんなことからいとも簡単に抱えてしまうものだから。でも、珠と卓也はお互いに性格が合っているのでこの先幸せに進んでいくんだろうなと思いました。応援したいです。
読了日:4月25日 著者:小池 真理子


■烈しい生と美しい死を
瀬戸内寂聴さんの本は、文章が美しくて心にすっと入ってくるので読みやすい。いつも、心が引き締まる思いで読んでいます。寂聴さんの追いかける強く賢い女像を私も読んでいるうちに魅了されていきます。実際には、個性が烈しく鮮烈な生き様の女性はなかなかいない世の中ですが。けれど、はるか昔には存在したという事実に圧倒されます。
読了日:4月22日 著者:瀬戸内 寂聴


■生きるぼくら
「生きるぼくら」というタイトルで、写メを送り続ける元引きこもりだった人生の前向きさが勇気になりました。もっとお母さんのありがたみを早くに感じることができたら良かったけれど、祖母の繋がりで構築された新しい人間関係と恋愛とがあわさって彼の気持ちをこじ開けてくれたんですね。一度シャッターが閉じると、衝撃的なきっかけが必要なんだなぁと感じる。生きるって素晴らしいけど難しい。ラストがとても感動的でした。
読了日:4月17日 著者:原田マハ


■おおかみこどもの雨と雪 (角川文庫)
中学生の娘と共読した本。最後の姉弟の選択が決定的でした。お母さんの愛情に培われて二人はそれぞれの道を選ぶ強さを身に着けたんだなと想いました。その後の人生を応援したいです。それにしても、二人が小さいころの育児は大変そのものでしたね。夜。泣きは親にとってすごくつらいですから。
読了日:4月15日 著者:細田 守


■贖罪
この本は本当に本人が自分の犯した罪に対して、贖罪の気持ちで書いたものなのか信じることができません。きっと自分だけでは書いてないですよね・・・聞こえの良い言い訳のような気がして・・・けれど、彼女が出会う縁に恵まれて助けてもらえる星の下にうまれた幸運の持ち主だということは伝わりました。
読了日:4月10日 著者:酒井法子



読んだ本の数:4冊

■しゅるーんとした花影 つれづれノート21 (角川文庫)
ちょっと読むのを控えていたつれづれですが、また再開。
今回は、銀色さんがこれまでのハイテンションな自分を顧みて
深く内省しているところが良かったです。
銀色さんは、きちんと自分と向き合える思慮深い人だと思います。
だからずーっと読み続けていけるのだと思う。
銀色さんとその家族が大好きです。
読了日:3月31日 著者:銀色 夏生


■ファントムの夜明け
先に「彼女は存在しない」から読み始めた作家なので、この作品はとても読みやすい文章で、興味深く読めました。異能力者のお話なんですね。最後にかけて謎が解けていく過程が自然で受け入れられたし、素直に驚かされました。
読了日:3月14日 著者:浦賀 和宏


■ダーク・タワー〈6〉スザンナの歌〈上〉 (新潮文庫)
スザンナ、マイア、デッタといくつか人格が交代して、物事に対処している様が次々と入れ替わってせわしなかった。今回は、スザンナの物語ということで、エディの哀しみと焦りがひしひしと伝わってきて、愛し合ってる二人が無事に会えると良いなぁと想いました。
読了日:3月4日 著者:スティーヴン キング


■荊[いばら]の城 下 (創元推理文庫)
まさかの展開に上巻終わりで驚愕して、夢中でむさぼり読みました。どうなっちゃうの~スゥ大丈夫??って心配しながら。それからモードの気位の高さがとても魅力的でした。対照的な二人の少女の数奇な運命に翻弄されて、読んでいるこちらまでハラハラしてしまいました。他の作品も読みます。面白かったです。
読了日:3月4日 著者:サラ・ウォーターズ


怪物はささやく

2012年8月30日 読書
中学生の娘の読書感想文向けに読みました。
これを読んだ後、娘は大泣きに泣きました。
「最初に思っていたストーリーと違う」と・・・
私も興味を持って読み進めるとなるほど
マザコン娘がショックを受けた理由が判りました。

主人公コナーも思春期まっただ中のデリケートな性格。
いじめを受けている日常の中で、母親との暮らしを心の寄る辺に
して暮らしている。
そんな折、少しずつ平穏が崩れていく出来事が重なり・・・

怖くても逃げ出したくても、向き合わなければならない時もある。
しかし13歳のコナーにとって、乗り越えなければいけないものに
対峙しなければならないとき、どんなに怖かったでしょう。
たった一人で、どんなにか心細かったでしょう。

運命というものがあるなら、人は希望のある方向へ
何とか歩き出さなければいけないのかも。
這い進めなければならない時もある。
たとえ、その先に試練があるとしても。

イチイの大木がコナーに諭した言葉が胸に突き刺さりました。

「人生とは言葉でつづるものではない、行動でつづるものだ。
何をどう考えるかは重要ではないのだよ。
大切なのは、どう行動するかだ。」

私は、この本を読んで泣いた娘っこの感受性の強さを理解している。
だからこそ、この子を守りたい。
全力を尽くすことを改めて思った。



2013年2月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2162ページ

■荊[いばら]の城 上 (創元推理文庫)
初読み作家で、こちらのサイトでお薦めをみて読みました。想像していたよりも面白くて、一気にこの物語の中に引きこまれてしまいました。夢中で読みふけりました。スゥの境遇とモードの境遇が、紳士によって変えられていく様が興味深い。騙し、騙され、どれが本当のことなのかわからないのが堪らないです。次巻が楽しみです。
読了日:2月26日 著者:サラ・ウォーターズ


■図書館内乱 図書館戦争シリーズ(2) (角川文庫)
勢いのある会話型文章で、楽しめます。テンポも速いし展開もあるし飽きないですね。登場人物にそれぞれキャラ立ちがはっきりしていて、まさにライブ型の作家だなぁと感心します。このシリーズの人間関係好きです。ちょっとくさいところもあるけどね。私は、堂上と笠原の話よりも、柴崎の複雑さが結構好きです。続きが楽しみ。
読了日:2月18日 著者:有川 浩


■冥土めぐり
結構読むのに苦労が要った作品でした。全体的に愚痴っぽくて暗い。主人公の母親と弟の性格と生活行動が我慢ならない。それに不満を感じているのに甘んじている主人公もズルい。そこから逃げるように、結婚してその相手に自分の人生を託す理由を正当化しているように感じた。もっと、能動的に生きてほしいと思った。
読了日:2月12日 著者:鹿島田 真希


■光
始めのほうはあまり気乗りしないまま読み進みましたが、中盤からすごく面白くなり夢中で読み終えました。洞窟の中のヒカリゴケの、幻想的なエメラルドグリーンを想像し、きっと美しいだろうなぁと見てみたくなりました。悦子の手首にはめた黒ゴム、女子特有で細かい視点だなとびっくりしました。
読了日:2月11日 著者:道尾秀介


■彼女は存在しない (幻冬舎文庫)
タイトルに惹かれて読みました。初作家です。いったい誰が存在しないのか、構えながら読んだからかちょっと難しかったです。再読したら印象が変わるのかな? 貴治がキレる若者みたいで苦手・・・。バズ・ライトイヤーは好きなので残念です。後半の恵の描かれ方が悲しかったです。結構モヤモヤが残りました。でも、他の作品も読んでみようと思います。
読了日:2月7日 著者:浦賀 和宏


■コンカツ?
読了日:2月2日 著者:石田 衣良




2012年1月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1718ページ
ナイス数:160ナイス

■誰でもよかった
現実に起こった事件とは異なる部分が多かったけれど、こういう展開もあり得たのかと背筋が凍るほどの嫌な感触で読み進んだ。交渉人の渡瀬警部と犯人と電話でのくどいほどのやりとり、渡瀬警部の交渉術が印象的でした。最後の横川さんと渡部さんとの会話はすごく昏い警察組織ならではのやりとりで読んでいて、絶望的で虫唾が走るほどでした。孤独感は誰でも抱えているし、秘密は誰にでもあるものだと思う。
読了日:01月30日 著者:五十嵐 貴久


■Nのために
変わってるなぁ。。解りにくいんだよなぁというのが読了後の感想でした。何度も前の方や後ろの方を読み返しましたが。全てNという名前が関わっている物語。N達が紡いでいく謎めいた殺人事件に至るまでの怪経緯。読んでいる間は興味を惹かれて、どうなっていくのかとわくわくもしたけれど読み終えた後はもっと何か凄い事を期待していた自分に気が付いたのでした。「灼熱バード」は結構好きでした。
読了日:01月22日 著者:湊 かなえ


■ポリティコン 下
マヤのパート、トイチのパートと入れ替わるように描かれているこの物語。人間のいやらしさ、矮小さ、寛大さが余すところなく描かれている。トイチの父親が亡くなってからのイワン村。脱北ビジネスをしていた北田(クニタ)とマヤの母親との関係、そこにスオンが関わって、いよいよマヤのパートに入り真実明らかになっていくところがたまらなく面白かった。ラスト、マヤと母親の関係はこれでいいのかと私は少し疑問。私だったらやっぱりゆるせるか赦せないかの問題に尽きる。 この物語は究極的に親子関係の物語だったのかな・・・。繋がり方は千差万
読了日:01月18日 著者:桐野 夏生


■ポリティコン 上
サクサクと読み進めていける長編。私はこの手の桐野作品が好きなので夢中で読み進めた。表紙の養鶏がまた象徴性があって良い。養鶏と野菜・コメ作りとどちらがこのイワン村にとって良かったのか考えると面白い。トイチの貪欲さ、自己顕示欲、所有欲、性に対しての際限のなさがこの物語の整合性に淫靡なピースを加えた様子で、稀に見る美少女マヤの存在を際立たせている。他のイワン村の主メンバー達の個々の性格がトイチの動きに合わせる感じにジワジワと出てくるのがとても面白く興味深く感じた。
読了日:01月18日 著者:桐野 夏生

■旅の理不尽―アジア悶絶編 (小学館文庫)
私も自由奔放にあちこち旅したいなぁと思った。相変わらず飄々とした文章の笑える記事だった。楽しそう!!冒険したい~(^-^)
読了日:01月03日 著者:宮田 珠己




2011年12月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2927ページ
ナイス数:120ナイス

■ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)
ライト感覚の推理小説という印象でした。設定はとても面白く興味深いのですが 登場人物の人数と、客観的な視点の中での登場人物の数が合わないのと、 唯一人の独白パートを担う久我和幸の心中を読むのが面白いです。腹黒さ。 トリックが何重にも張り巡らせられていて、伏線を拾い出していく作業は大変かも。 それがきっとこの作品の魅力なんでしょうね。次は「仮面荘殺人事件」を読みたい。
読了日:12月18日 著者:東野 圭吾
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15244626

■puzzle (祥伝社文庫)
元鉱山の今では生活跡がそのまま残る廃虚島。 そこで、たくさんの人々が普通に日々を営んでいたんだなと 思うと興味をそそる舞台設定。 そこに、二人の検事がやってきた。 この廃墟島で三人の男が理解できない死を遂げたことを 調査にきた。 一人は餓死。一人は全身打撲死。一人は感電死。 三人とも同じ日時に死んでいた。この謎がドキドキした。 とても魅力的な舞台設定なのに、ちょっと物足りなかった。 深く掘り下げて読みたかったなぁと。薄い本にあっという間に 読み終えてしまった。もっと不思議系の恩田さんの本が読み
読了日:12月17日 著者:恩田 陸
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15223204

■死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)
B級なのかもしれないが、表紙とタイトルに惹かれて手にとって読み進めた。内容は「死神」とコンタクトして取引をした人物の指定した相手に「死神」が「ジョーカー」のカードを送り、警察も疑わない自然に死に方をさせるというもの。内容も面白かったけど、なぜか最後が雑ではなくて深くまとめてほしかった。
読了日:12月17日 著者:七尾 与史
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15223179

■弁護側の証人 (集英社文庫)
叙述トリック。これが50年も前に書かれた小説と知って驚きました。 折原一さんの本が好きな人にはおススメです。私は、もともとトリック に気がつかないまま最後まで読み進めてしまう鈍感さなのですが 真相に気がついた時、再読して全く違う視点に自身の脳が転換した 時に快感を感じました。この手の小説はとても好きです。 著者が翻訳家の為、文章が読みづらかったりしますが私は気になり ませんでした。弁護側の証人・・・一体誰なのか。ある種社会派作品 でもある気がします。
読了日:12月13日 著者:小泉 喜美子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15151670

■死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)
いじめ・・・いじめられる側といじめる側の意識の差ははっきりと違う。 いじめられる側は段々自尊心を貶められ自分のどこかが損なわれて行くのを 感じる。本書のいじめられていた側の母親が新聞を読んで何気なく呟いた言葉 「悪い先生もいるもんだね」という言葉はとても重要。この認識を子供・親全ての 人に持ってもらいたいと思う。先生だって教職についたって一介の人間なのだ。 複雑な感情を持って当然。だからこそ、柔らかい心を持った子供にとっては絶対 的な存在になり得てしまう。その点を親はしっかりと見守るしかないと思う。 ラス
読了日:12月13日 著者:乙一
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15151635

■臨床真理 (このミス大賞受賞作)
精神障害の辛さがよくわかった気がする。ただ、司の特殊能力はびっくりした。 人の言葉の虚偽が色によってわかるなんて信じられない・・・。臨床心理士の 美帆が司に顕著に傾倒していく様が、正直うんざりもしていたけれど、結果的 にはまあ納得したかな・・・。しかし、パスワードの決め方って色々あるんですね。 すごく勉強になりました。まだ最初の作品ですから、今後に期待したいです。 綜合的には楽しめました。
読了日:12月12日 著者:柚月 裕子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15125603

■悪霊の島 下
近くに住む大金持ちの屋敷に住む老女と付き合うようになって、次々と不可解なことが身の回りで起こり始めて行く。その過程がびくびくゾクゾクして、途中でやめられなくて読み終えてしまった。どんどん、物語の中へ自分が入り込んでいくのを感じる感覚が不思議で少し怖い。けれど、それがキング作品の魅力なのかもしれない。 エドガーが描いていく凄い圧倒的な絵の数々を見てみたい気がした。
読了日:12月08日 著者:スティーヴン・キング
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15049076

■悪霊の島 上
不慮の事故で片腕を失った不動産建築業者エドガーが、大手術・リハビリ後に最愛の妻から離婚を言い渡されて不承不承受け入れ、精神科医のすすめで気分転換に、フロリダの孤島デュマ・キーに独りで移り住んだ。波打ち際に近くて素敵な風景と穏やかな天候のしたでどんどん元気になっていく彼だった。けれど、波と貝殻の囁きを聴きながら静かに暮らすうちに、絵を描く衝動にとりつかれた。絵はなんの知識もなく技術もないのに、人の心をつかむ素晴らしい作品を描くようになっていく。近くに住む大金持ちの屋敷に住む老女と関わるうちに・・・
読了日:12月06日 著者:スティーヴン・キング
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15018235

■愛ある追跡
不倫相手を殺害した最愛の娘が指名手配されて、獣医の父親が警察よりも先に娘を探し出して真相を知りたいと決心して、クリニックを休業してあちこち手がかりを辿ってその先々で病気やけがをした動物たちを飼っている娘を知る関係者たちと 獣医ならではの関わりをし触れ合っていく。もっと、深刻かと思ったらハートフルな ストーリーになっていたので、それはそれで楽しめたけど、もっと娘のことで深く書きこんであれば楽しめたように思う。
読了日:12月02日 著者:藤田 宜永
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14941525


▼2011年12月の読書メーターまとめ詳細
http://book.akahoshitakuya.com/u/9209/matome

▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/
2011年11月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3693ページ
ナイス数:108ナイス

■ロミオ (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 5-1)
久々の海外翻訳もの。やっぱり作者は誰であれ面白い。文化の違いを感じられるところが良い。猟奇的連続殺人者である妄想性の強い犯人を「ロミオ」と取り上げるところはいただけないが、犯人を追いつめて行く弟を亡くしたばかりの女刑事のリーナの執念がうまく伝わってきた。どんでん返しの結末や、犯人がリーナに近づいていくスリリングなアプローチに凄くドキドキした。海外翻訳ものって結構美人設定が多いなぁ。
読了日:11月29日 著者:ロバート・エリス
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14929529

■リセット
高校時代に全く接点のなかった同級生だった47歳の3人の女性。薫、知子、晴美。女性って、学生時代まではみんな限られた安全な柵の中(学校と云う名のあるいは家族と云う名の)で生きているから男女特に差異はなく(勿論家庭環境は人それぞれ違う)過ごしてきたと、今振り返るとそう思える。けれど社会に出ると、いきなり人生が個人のものとなり、女性は特に知り合う異性で大きく人生が変わることが多い。かくいう私もそうだけれど。そんな時に「遠来の客」という居酒屋にふらり入り、人生をタイムスリップする機会を得たならばどうするだろうか。

果たして、何年前に行くか戻るか・・・。私の人生は失敗ばかりだったから、きっと過去に戻ってやり直したい事を自律心を持ち貫くと思う。けれど、人生ってこの物語の中の女性たちのように何度やり直しても、同じように気持ちは揺れ動き何度やり直しても結局過去は変えられない、したがって未来も形は変わって見えても気持ちは変えられないのかもしれない。敷かれたレールの上をそのまま走り続けるのが嫌だとドロップアウトしても、また気がつけば根幹が変えられない以上結局軌道修正はできずに生き続けることになるのかも。

どんな風に生きて行こう、どんな未来を描こうかと誰しも夢を描く。未来予想図。けれど、思った通りにいかないのが人生の妙。 過去に戻り心だけ47歳の年だからこそ、初めて親の気持ちを知ることができたそれぞれの女性たち。子供をもつことと、もたないことの選択。 軽妙に描かれた物語だったけど、考えさせられることは深かった。
読了日:11月29日 著者:垣谷 美雨
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14895134

■オーダーメイド殺人クラブ
「私を殺して」と同級生の男子に頼んだ少女。切断した腕を覗き込む形の死体写真に魅せられて、世間に注目され後世に残るような殺され方をされたいと望む、何の苦労も知らない衣食住にだけ充たされ意識だけは思春期特有に「自分は特別」だと肥大して留まるところを知らず、際限なく死への憧れを強くしていくアン。 昆虫男子と言われる芸術家肌の隣の席に座る徳川ジュニアが、ある日ネズミの死骸をレジ袋に入れたまま蹴りつけ踏みにじっている場面に出くわし衝撃を受けた河原。

「私を美しい死体にして世に記憶され刻みつけてくれるのはこの人しかいない」 と思いこんだアン。そして、二人で「悲劇のノート」を創りどんどん殺人の方法を書き込んでいく心のやりとり。それだけが心の支えとなっていきアンは、教室からも友達からも浮いていく。過保護の母親の元からも逃げ出したくなり・・・死ぬことしか苦しみから逃れることはできないと強く思いこむ。哀しい肥大化した自意識。

時代は違えど、思春期の時の「自分は特別である」という繊細な意識は変わらないものだ。 最終的に二人がとった行動は、私にとっては想定できたし、至極納得もいった。 誰もが通る「透明なトンネル」。
読了日:11月26日 著者:辻村 深月
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14830962

■オー!ファーザー
父親が4人もいるなんて!!しかも母親と一緒に立派な家で住んでいる由紀夫。 この設定が最初にまずショックを受けた。でも、読んでいるうちに父親それぞれの個性が浮き彫りになり、マイペースな由紀夫。いつも不在の母知代の関係が面白くなって、楽しんで読了。由紀夫の感性と話しかたが好きだ。その由紀夫にまとわりつく彼女の図々しさ率直さもまた良い。由紀夫の普段は理性的なんだけど、友情に篤いところや正義感が強い行動的な部分にも刺激を受けた。読んでいてワクワクした。こんなに愛情深い父親4人に愛される由紀夫が羨ましい。
読了日:11月23日 著者:伊坂 幸太郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14778571

■アリアドネの弾丸
相変わらず不定愁訴外来の田口センセが、あれよあれよと殺人事件に巻き込まれていく事件で面白かったです。やはり頼るのは、嫌っているはずの師匠白鳥さんを呼び寄せ、島津先生や彦根先生をずらりと周りに固める辺り、見た目より計算して 生きてるんだなぁと感心した。高階院長は今回は活躍せず部外者扱いでしたね。 一番、ゾゾーっとしたのはやはり宇佐見警視正。やることはきっちりやる。怖いです。警察の闇組織の存在、真偽は謎だけどリアリティはたっぷりと感じられました。桧山シオン先生の専門的クオリティの高さには脱帽です。アンドロイド
読了日:11月15日 著者:海堂 尊
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14620652

■結婚相手は抽選で
やっぱり、面白い!!政府の法案で結婚相手をお見合い形式で抽選で選んでいくという荒唐無稽なものが通過して、日本の未婚男女は大騒ぎ、てんやわんや!この展開がもう目が離せなくて一気読みでした。一応、曖昧だった同棲カップルや永い春のカップルは結婚に踏み切ったり、これを機に新たな出会いに期待して別れたり。男女の出会いと別れのタイミング騒動がすごく面白かったです。 また次回「リセット」を読む予定です♪ハズレなし。
読了日:11月14日 著者:垣谷 美雨
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14611043

■情動
女性特有の感情。後味の悪い短編集ばかり。だけどなぜ弾きつけられる!!わかる~って共感しきり。私の中にもやはりオンナの毒が渦巻いているのね・・・と納得。シット、所有感、独占欲・・・様々な渦の中でくるくる踊らされる、様々な立場の女たち。一番のお気に入りは「別居」と「愛甥」でした。わかりやすくて良い。
読了日:11月11日 著者:新津きよみ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14541503

■うちの3姉妹 12
フ―、スー、チー、三姉妹こんなに大きく成長しているんですね!私は最初の頃から読んでいるので、本当に面白くて毎回ぷぷぷってもう堪らない子ども特有の面白さに脱帽です(笑)私の子どもにも当てはまっていた部分が多々あり、懐かしくてホロ苦い気持ちにもなりました。もう言えない言葉がないくらいなので。珍言葉とか結構日記に記録として残してます。あっという間に人間になっちゃうもんね(苦笑)
読了日:11月07日 著者:松本 ぷりっつ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14477128

■ダレン・シャン前史 クレプスリー伝説 1 殺人者の誕生 (児童単行本)
「ダレン・シャン」にはまった当時の記憶を次々に呼び覚ましながら読んでいく作業がこれほど楽しい本はありません。児童文学なのに、とても深くて含蓄のある言葉が多いことに気付かされます。心の豊かさに感謝・・・。友情の大切さ、自分らしくあると、愛する人へ尊ぶ感情、数々の複雑な感情をわかりやすく教えてくれる物語だと思います。おススメです。一気読みでした。
読了日:11月06日 著者:ダレン シャン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14451600

■美しき凶器 (光文社文庫)
この肉体改造された美しき凶器は、最後にはやはり女性としての愛情までは改造できなかったんですね。その過程の事情を知るととても切ないです。ストーリーの展開としてはスピード感やドキドキワクワクとページを捲る手が止まらなかったですね。練りに練った構成だと感じ入りました。
読了日:11月04日 著者:東野 圭吾
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14399339

■カササギたちの四季
華沙々木、日暮、南見さんのトリオで推理小説、四季の連作集。でも、どれもハートフルで、いつもの謎めいた暗さのある道尾作品とは違い明るく楽しく、時にホロっとさせてくれる辺り私の気に入りました。なんてったって、単純に読みやすい。いつもいつもひねっていなくて宜しい。こんな風にピュアにストレートに心に沁み入る物語も乙なものです。売れないリサイクルショップ店長華沙々木の荒唐無稽な推理を南見ちゃんの為に、フォローする頭の良い日暮くんの優しさが大好きです。シリーズ化楽しみです。
読了日:11月01日 著者:道尾秀介
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14342316


▼2011年11月の読書メーターまとめ詳細
http://book.akahoshitakuya.com/u/9209/matome

▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

2011年10月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1687ページ
ナイス数:148ナイス

■ひとり (角川ホラー文庫)
新津さんの本は、心理的描写がクローズアップされていて、サクサクと読めるので結構好きです。女性向けなのかな。今回は、中学生の時に共に乗り合わせていたバスの転落事故で親友と死に別れてしまった女性の話。その日から、その親友が自分の中に居るような感覚を覚えながら、自分自身の道を歩けずにいた桃子が大人になって遭遇した殺人事件がきっかけで自分を取り戻せるか・・・。最後はちょっと駆け足的な部分が否めなかった。心理ホラーといってるがそこまでコワくなかった。また他の作品も読んでみたい。もっと心理的部分を掘り下げても良かった。もっと住まいの防犯意識が強まった。
読了日:10月31日 著者:新津 きよみ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14331111

■夫の彼女
初垣谷作品☆笑わせてもらいました~。滅茶苦茶面白いです。 会話のテンポも絶妙で、笑いのツボにはまりましたね。 愛人と正妻の入れ替わりなんて、あり得ない設定だけど、 そんなこと問題にならない。 人間関係のコミュニケーションの描き方がとてもさりげなく ハートフルで結果が心を温めてくれました。 この作家の他の作品も必ず読みます。
読了日:10月28日 著者:垣谷 美雨
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14265184

■ウツボカズラの夢 (双葉文庫)
ウツボカズラの捕虫器は、壺のような形で、いわゆる落とし穴式で虫を捕らえるようになっている。その形は種類によってさまざまである。 (未芙由?尚子?お祖母さん?) 捕虫器は袋の形で、つるはその底面につながっている。上面には口があり、その上に蓋がついている。蓋は口を軽く覆うようになっており、背面側で袋の口に接続する。この蓋は袋の中に雨水などが入りにくくする役割を持っているもので、虫が入ると閉じる、などといったことはしない。また、袋の外側の腹側、蓋のついた側の反対側には、二列のひれがついていることが多い。
私の個人的見解でいうなら、私なら○○だろうなと。
読了日:10月25日 著者:乃南 アサ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14207312

■誰にもできる殺人―山田風太郎傑作大全〈4〉 (広済堂文庫)
一冊の殺人記録ノート。新しい賃借人が押し入れの隙間に挟まっているノートに 気づいて語り継がれていく人間荘という名のぼろアパートでの人間模様の記録。 とても興味深く、時にぞっとして、時に薄気味悪く思うノートの内容。一体、この ノートの殺人者は誰なのか・・・。とても興味深く最後まで一気に読了してしてしまいました。
読了日:10月20日 著者:山田 風太郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14118246

■白銀ジャック (実業之日本社文庫)
や、おもしろかったですよ。禁断のゲレンデも最後までひっぱっていたし パトロール隊と社員との苦しい軋轢も十分に感じられました。 まあ、深刻という程の作品ではなかったかもしれませんが、頭を緩くして 楽しめる作品としてはとても向いていると思います。良かったです。
読了日:10月20日 著者:東野 圭吾
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14110369


▼2011年10月の読書メーターまとめ詳細
http://book.akahoshitakuya.com/u/9209/matome

▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

2011年9月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:624ページ
ナイス数:41ナイス

■箱庭図書館
乙一さんは久しぶりです。企画ものと知らずに読み進めていくうちに、バラエティ豊かな連作集なんだなぁと面白くなって、そのうちにどの短編にも同じ町や同じ人物の繋がりを見つけていきました。そして、ますますはまりこんで・・・ 読者からのボツ原稿作品に、乙一さんが手を入れてこんな風に手の込んだ色彩豊かで、しかも繋がりのある構成された世界観に仕上げられていたとは驚きです。職人技ですね。私は、コミカルな「コンビニ日和」と「青春絶縁体」と最後のしっとりセツナイ「ホワイト・ステップ」がとても好き。最後のあとがきも良いです。
読了日:09月30日 著者:乙一
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13717255

■ジェットコースターにもほどがある (集英社文庫)
すごーく面白くて、詳しく国内&海外のあらゆる絶叫系を網羅しています。私は、語り口が面白すぎて、電車の中でも家の中でも我慢できずにぷぷぷっと吹き出して楽しい気分で読み終えました。最高に面白いルポです。ジェットコースター嫌いな人にもお勧め。笑えます。気分良く過ごせます。ちょこっと乗ってもいいかなぁ?なんて思っちゃったりして。
読了日:09月08日 著者:宮田 珠己
2011年8月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1535ページ
ナイス数:146ナイス

■獣の奏者 外伝 刹那
外伝刹那は、児童文学ではありませんね。エサルの恋心が今の自分の気持ちに重なって、思わず泣きました。どうしようもない位の熱情でも無理やり吹き消して大火傷を負うしかない道もあるんですね。エサルの選んだ道、エサルの強さを見習いたいです。この刹那に限ってだけの印象は、男性陣が薄かった。ずるいし、卑怯で・・・残酷。それでも、女性は強く他者を護り生き続けていくしかない。全巻読んできて、これは人生の軌跡なのだとスッと腑に落ちました。
読了日:08月30日 著者:上橋 菜穂子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13091594

■M(エム) (文春文庫)
激しい性描写は飛ばしてしまいましたが、このヒリヒリする感じ、どこにでもいる身近な生活を営む人々が、焦燥感や虚脱感に追い詰められていく心理的な部分が生々しくて、人は誰でもこういう部分は(陰の気持ち)は持ち合わせていて、何かの拍子でものすごい妄想に苦しんだり、事件に巻き込まれたりしてしまうんだなとコワくなりました。
読了日:08月24日 著者:馳 星周
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12986739

■オレンジの陽の向こうに
謎の多い死後の世界と現世とを結ぶ地衣類のアマノイワフネ。それを近くに置いておくと死んでしまった大切な人と夢でリアルに会って話ができる。最後までその謎は解明できなかったけれど、それよりもなによりもせつない話でした。ひょんなことから家をなくした棗を居候させることになった真。この二人はたった1カ月しか同居しなかったし恋愛感情もなかったのに、事件に巻き込まれた後のその後でもう二度と逢えないと痛感した後にようやく互いの想いに気づいたこと、気づけたこと。沈みゆく太陽のオレンジの陽色の向こう側に大切な人がいることを認めた瞬間のどうしようもない喪失感が、痛くてせつなくて寂しくて胸が締め付けられました。誰にでも普段は気付かない自分の想いってあると思うから。
読了日:08月16日 著者:ほしお さなえ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12825305

■愛が理由 (幻冬舎文庫)
なんだか、30代後半の女性がみんな若い男子高校生が好き(ふりまわされる)的な先入観ありありじゃないですか~?私は、年下全く苦手だしましてや高校生なんて私から見たら「よくわからない」世代なのに。これは「愛」が本当に理由なんでしょうか?矢口さんは、好きだけどこの作品は少しびっくり。無理がある。けれど、親友の麻子と美佐子の関係性には女性ならではの心理描写がよくわかります。どちらかが親友って思ってても・・・実は相手はそうでもなかったり。学生時代は密着した関係だったのが、社会に出ると離れたり。次作に期待です。
読了日:08月08日 著者:矢口 敦子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12693430

■カイルの森 (角川文庫)
銀色さんの言葉って、やっぱりサラサラとして読みやすい。単純なストーリー(愛について)なんだけど、設定も良かったし途中に詩も載っていて、流れるように読んでいきました。カイルと妖精たちのそれぞれの会話(まるで禅のよう)が時にグッと腑に落ちたり、微笑ましく感じたり、薄い本なのでサラサラと良い気分で読み終えました。表紙のデザインがシンプルで好ましいです。
読了日:08月08日 著者:銀色 夏生
2011年7月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3200ページ
ナイス数:128ナイス

■アルバトロスは羽ばたかない
独特の書き方をする作家ですよね。前作の時も、慣れるまでちょっと時間がかかったのですが、今回も。でも、夢中になり一気読みでした。前作に続いて舞台は児童養護施設。一人一人の子どもの抱える厳しく切ない問題に深く関わっていく指導員の春菜。そして、その真摯な姿勢に(子どもに深く関わり過ぎる)時に支えながらも危うさを感じ危惧する海王。そして四季ごとに分かれた子ども達の問題を解決した記録が綴られた4冊のノートの持ち主の春菜に訪れた出来事。とにかく、衝撃を受けました。
読了日:07月30日 著者:七河 迦南
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12530614

■加害者家族 (幻冬舎新書 す 4-2)
いきなりかかってきた警察からの電話。「これからご主人に逮捕状が出ます、マスコミに報道されるので早めに子供を連れて自宅を離れた方が良いですよ」という警察からのアドバイス。何も知らなかった加害者家族の驚愕と悲嘆。加害者というのはあくまで身勝手なんだとルポを読んで思いました。被害者に対してはもちろん、被害者の関係者、そして加害者に関わるあらゆる人の人生にまで影響を及ぼして壊してしまう・・・どうやったら犯罪をなくせるか、研究題材にして検証に役立ててほしい一冊です。自戒を込めて。
読了日:07月27日 著者:鈴木 伸元
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12477204

■インシテミル (文春文庫)
十二体のネイティブアメリカン人形、そして誰もいなくなった、クローズドサークル・・・不気味な暗鬼館で起こる殺戮。疑心暗鬼と人間不信に渦巻く十二人の男女の心理的に追い詰められていく部分がゾッとしました。何気なく破天荒な時給につられて応募してきた人たち。そのせいで精神が狂わされて・・・美味しいバイトには裏があるってことがこの夏のホラーにはぴったりの物語でした。(要注意!危険気をつけろの標識がぴったり!!)
読了日:07月24日 著者:米澤 穂信
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12407548

■チッチと子
創作するのは本当に難しいことなんだなぁと改めてわかりました。ひとつひとつの言葉や言い回しを何時間も考えてひねり出したり、バランスを整えたり、作者の大変な努力で一冊がこの世に誕生するんですね。本が完成しても、編集者や装丁家、本屋さんと沢山の人の力で出来上がっていく工程が知ることが出来ました。読者の私は、たいてい簡単に読んで感想を抱いて好き勝手書いて終わりっていうパターンが多かったので、小説家のイメージが変わりました。もっとこれからは作家の思いとや仕掛けなども楽しみ、大切に読んでいきたいと思います。
読了日:07月14日 著者:石田 衣良
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12230792

■往復書簡
十五年後・・・って思いを馳せるにはとても長い年月 ですね。自分の立場から十五年前って何を思いどんな 夢を抱いて暮らしていたのか思い出せないくらい。手紙のやり取りで構成されている本書は、書き手と読み手の想いが交錯されひとつの真実に繋がっていくのを 辿りながら終結するので、時にもどかしく、時に考え込みながらページを捲っていきました。
読了日:07月12日 著者:湊 かなえ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12197316

■なぜ被害者より加害者を助けるのか
犯罪被害者よりも加害者のプライバシーや更生を優先する日本という国の理不尽さを、詳しく弁護士の視点から書かれていてわかりやすかった。けれど、実際に自分がもし被害者の関係者立場に立ったとしたら、国は守ってくれないのかと考えると不安になりました。加害者と被害者。明白な立場の違いがあっても、被害者関係者は十分に守られないという事実が哀しいです。
読了日:07月10日 著者:後藤啓二
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12162998

■女神 (光文社文庫)
女性が、自分よりも美しくなんでもそつなくこなし、エレガントだったらやはり身近な人であればあるほど憧れたり劣等感を感じてしまうことはあると思う。まるで女神のような女性だとしたら・・・何かその完璧すぎる生活のあら探しをしてしまいたくもなるのかな。無理のある設定も多々あったけど、女性心理としてあちら側とこちら側の気持ちが対照的に描かれていて読んでいて何か黒い感情が渦巻いてる印象を受けました。「汝の名」も良かったので、他にも読みたいと思います。
読了日:07月09日 著者:明野 照葉
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12145071

■カワサキ・キッド
努力家で真面目な人なんだなぁと思いました。イメージも合っていたけど、実はあがり症だったとはビックリ。一生の友達について、愛について、両親について尊敬する人について等、生い立ちをありのまま隠さずに振り返っていく作業が丁寧に深く伝わってきて彼に対する印象がまた見直されたような気がする。 昔から変わらない好きな女性のタイプ「頭が良くてぱっちり二重まぶたの人」。彼が選んだ女性を見て納得です。
読了日:07月05日 著者:東山 紀之
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12066374

■かたちだけの愛
事故で車に轢かれた女性の命を助け、その女性の義足を斬新にデザインするデザイナーの物語。愛というものについての考察と母への赦しが軸になった恋愛小説だと感じました。題材が珍しいので興味深いです。女優久美子とデザイナー相良との恋愛の軌跡が深く濃密に描かれていて、人の感情は複雑なんだと改めて思いました。文章がすごく綺麗に飾られていて、ちょっとお腹いっぱいな部分もありますが構成力がしっかりして読みやすいです。文章の表現にすごく気を遣っていると思います。芸能界とデザイナー、義足の分野のこともとても現実的に描かれてます
読了日:07月04日 著者:平野 啓一郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12048400

■追憶列車 (角川文庫)
短編集でどれも毛色が違っているけど、面白かったです。「お蝶ごろし」は時代劇もので最後のシーンが女の性を痛烈に感じてもの哀しかった。「追憶列車」も疎開中の列車を舞台とした人間関係が短いながらも、ボリューム感があってまたもの哀しい気持ちになった。人間の感情の「揺れる」部分が如実に顕されていて、少し感傷的になります。他の作品もたくさん読みたいです。
読了日:07月02日 著者:多島 斗志之
2011年6月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2475ページ

■僕の妻はエイリアン―「高機能自閉症」との不思議な結婚生活 (新潮文庫)
高機能アスペルガー症候群という言葉を知らなかった ので、妻のことを異星人妻と称し夫側からの視点で 2人の結婚生活が描かれていて、とても詳しく細かい 感情の機微まで想像できました。あとがきを読むと びっくり。妻の努力と工夫が様々な箇所に散りばめら れていて感動を覚えました。夫婦の軌跡がしっかりと 太く根付いたノンフィクションです。普通の夫婦でも そんなに甘くない共同生活なのに、ここまでお互いに 前向きに努力し合い歩み寄れる関係が素晴らしい です。
読了日:06月30日 著者:泉 流星

■症例A (角川文庫)
この作品は、文中にある回想録についての院長先生の言葉を用いるとしたら「まさに緻密で体系的にもバランスがとれていて、読む者が思わず惹き込まれていき、本当のことだと信じてしまう」くらい素晴らしい作品だ。五年間も歳月を費やして丁寧に細かく創り上げられた物語だ。読んでいて私も惹き込まれ、夢中でページを捲った。江間瑤子側からと榊医師側からの、問題の核心に徐々に迫っていくアプローチには、ドキドキした。その繋がりと着地点が絶妙に合わさり小気味良くすら覚えた。もうこの作者の新作が読めないのかな?どうかご無事でいて下さい。
読了日:06月24日 著者:多島 斗志之

■愛と別れ―世界の小説のヒロインたち
アンナ・カレーニナや、シェリ、チャタレイ夫人、 サガンの「悲しみよ こんにちは」「愛人」の中の 少女、「嵐が丘」のヒロインなど名の通った海外小説のヒロインたちの 濃い愛憎と悲劇の別れをクローズアップさせて紹介されていて、読んだことがない ものもあって興味を惹かれました。 気になったヒロインの本は、読んでみようと思います。
読了日:06月19日 著者:瀬戸内 晴美

■うちの3姉妹 特別編 ハワイでおっぺけぺ
相変わらずなおっぺけぺぶりに、またほのぼの笑わせてもらいました♪今回は、ハワイへ子連れで行くというもの。大変だったと思うけど、それ以上に楽しい家族の思い出が増えたんじゃないかな。そのエピソードを楽しめてよかったです。
読了日:06月17日 著者:松本 ぷりっつ

■占い師入門
占い師という仕事の様々な活躍場所や、どうやったらなれるか、占術の紹介、占い師としての雑感など、興味深く読みました。サクサクとした感じでうまくわかりやすくまとめられているので、読みやすかったです。
読了日:06月14日 著者:高橋 桐矢

■砂漠 (Jノベル・コレクション)
北村君の理性的な冷淡さが、西嶋君の荒唐無稽な荒削りに遭って、どんどん鋭角が丸くなっていく過程を意識して読むのが楽しいです。東堂さんの冷たい部分すら、西嶋君の熱い塊にどんどん丸くなっていく。なんてことだ。この影響力は!!南さんの陽だまりのような温かさと不思議な力。鳥井くんの調子の良さが、事故によって変わっていく様に戸惑ったけれど、それすらも西嶋君の動じない強さ(図太さ?繊細さ?)に見事に立ち直っていく様子が読んでいてホッとしました。謎の要人古賀氏の真の姿が怖いような、コミカルなような。とにかく楽しかった!!
読了日:06月08日 著者:伊坂 幸太郎

■死よりも遠くへ
ノンフィクション。社会生活から追い詰められた死。何人かの死。それぞれに興味のある内容だった。死に近く、その向こう側へ追い詰められていく過程は、果たしてどんなものだったのか興味がありました。この作家の他のノンフィクションも読んでみたいと思います。
読了日:06月05日 著者:吉岡 忍

■もう誘拐なんてしない
軽妙なタッチのノリの良い物語でした。初めての作家 でしたが結構サクサクと読めたし、案外楽しめて良かった。頭を使わずに、ストーリーの波に任せて読めるのは良いと思う。皐月、エリカ、翔太郎のキャラクターと会話の絶妙な面白さが心地よかったです。
読了日:06月03日 著者:東川 篤哉

2011年5月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3397ページ

■優しいおとな
最初、時代がずれているなぁと違和感を持ったけれど読んでいるうちになじんでいった。きっと今の時代とリンクする部分が多いからなのかな。この物語、最初は新聞の連載から読み始めたけれど、そのときは挫折してしまった。でも、本になって一気に読んだとき眠れなくなってしまった。暗い重たい印象なのに、猛烈に優しい部分があり、読み終えた余韻が深く残った為。桐野夏生は、こういう心をえぐるような力強さでグイグイ話を展開させながらも、根底では魂の救済のようなことをベースにして書かれている話が多いと感じる。だから、読んでいて苦しくなったり、逆に気持ちが楽になって救われるように感じることが多い。自分の内面を覗き見るような、淵をなぞって歩いているような心もとなさとどこかへ辿りつきたいという深刻な探求を感じることができると思う。
読了日:05月29日 著者:桐野 夏生
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/11418780

■私を見て、ぎゅっと愛して〈下〉
衝撃的な内容だった上巻に比べて下巻は、落ち着いた内容でした。読んでいて、息苦しさとか迸る情感の発露はそれほど見られず、安心して読み終えました。 私も昔、人生の迷子みたくなったときに迸るくらい文章を書きたくて書きたくて思いを全部ぶちまけたい感情にとらわれたときがあったのを思い出しました。 それも、感情が落ち着けば文章もあまり面白くなくなってしまったような。そういう感情と文章がダイレクトにリンクするときってあると思います。
読了日:05月22日 著者:七井 翔子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/11296290

■私を見て、ぎゅっと愛して〈上〉
ACで様々な障害に翻弄される主人公。この人の場合はセックス依存で、苦悩を味わい辛酸も嘗め尽くしたように感じますが、他にも違った症状で悩む患者さんもいるのですね。私も、以前ACについて興味がわきそれらに関連した著作を色々読んでみました。幼少期の記憶や体験というのは、大人になってから様々な形で生きかたに反映されてしまうのだなと驚きました。 ネットのブログ小説ということで、横書きだったので少し読みにくかったけれど慣れれば大丈夫でした。
読了日:05月19日 著者:七井 翔子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/11234657

■出航だよ つれづれノート(19) (角川文庫)
路線が変わってきましたね。完全にスピリチュアル系に多額のお金をつぎ込んで、自分の方向性に納得しようとしているように感じました。他者の賞賛に一度浸って満足感を味わった人は、それがないともう耐えられないのでしょう。前回、今回と続けて読んで学びました。そう考えると反面教師として教えられることが多いなぁと思います。これからも、遠くから見守り続けたいと思います。
読了日:05月17日 著者:銀色 夏生
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/11202866

■星を継ぐもの (創元SF文庫)
こんなに古い時代から、近代未来の予測をつけてこと細かく専門的にリアルに描かれた惑星の姿は、とてもワクワクして想像力を逞しく膨らませながら、楽しく読み進めました。途中、専門的過ぎて飛ばしてしまった部分もありましたが、最後の数ページはとてもスリリングな描写で、もしあの遺物が世間に公表されたときはどうなっていたのかなと面白く感じられました。 続きがあるようなので、また読んでみたいです。 SF良いですね。
読了日:05月11日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/11095400

■激流
冬葉の失踪から、完結までの流れがすごく興味をそそられながら読み進めました。その間に、久しぶりに再会した同級生たちのそれぞれの人間関係とその模様が詳しく描かれていて丁寧に読んでいけました。 冬葉という名前がきれいなんだけど寂しい・・・。 結末がなんだか、想像していたのとは違っていてちょっとびっくりというか、そんなぁ・・・ってつぶやく感じ。
読了日:05月01日 著者:柴田 よしき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10914896

■シアター! (メディアワークス文庫)
鉄血宰相・・・まさにぴったりのネーミングですね!笑っちゃいました。劇団って観にいくことってないんですが、その運営や練習風景、人間関係などが詳しく知れてよかったです。楽しければそれでいいわけではなくてお金の面では苦労が多いんだってわかりました。でも、その上でも情熱を傾けられる強さがまぶしい位です。巧をはじめ火のようなメンバーには、司のような理性的な地の要素の存在が必要なんですね。すごくバランスがとれていて、コミカルで笑いながら楽しい気分で読み終えました。また続きを読みます。
読了日:05月01日 著者:有川 浩
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10914805

■悪の教典 下
とてもグロテスクな展開に気分が悪くなりつつも、途中でやめられず読了。バトルロワイヤルという本や、白の闇というバイオレンスものを思い出しました。人は病気になるとこんな簡単に人間の常識、情緒、倫理の枠をひょいと飛び超えて信じられない殺戮をしてしまう・・・本当に恐ろしいです。普段とても明るくハキハキとしていてニコニコ当たり障りのない人物って裏で何を考えているのか・・・と疑ってしまうことがあります。全員が全員とは限りませんが、妙に愛想が良い人っているので・・・違和感を覚えるほど。気をつけねば。
読了日:05月01日 著者:貴志 祐介
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10914775

■悪の教典 上
思考(フギン)記憶(ムニン)のカラスが妙にあざとくて、賢くて印象に残ります。蓮見は理性的でかつ巧妙に人に取り入る才能を持ち合わせていて、身近にいたらとても恐ろしい係わり合いになりたくないタイプの犯罪者です。でも、きっと本人を目の前にしたら私も騙されてしまうのかも。人間の本能を敏感に察知して瞬間的に次の言動をとれる人はめったにいないけれど、この本を読むと人間不信にさえなってしまうくらいの衝撃度でした。続編に続く。
読了日:05月01日 著者:貴志 祐介

2011年4月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1341ページ

■偽証 (実業之日本社文庫)
裁判って、必ずしも正義が勝つというわけではなさそうですね。人間が裁くのだから仕方ないか。検察と弁護士、原告と被告、証人、傍聴人と様々な立場の人間が入り混じって成立する世界。法廷の厳粛さとは対照的なむきだしの生の感情が発露されて、怖いと感じました。タイ人の女性の心情も理解できたし(日本における弱者の立場)、逆に弱者の立場にいる女性に対する人たちの心情も想像しました。ヒトは本当に弱くて情けなくて哀しい生き物だということを感じました。
読了日:04月11日 著者:深谷 忠記
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10593018

■阪急電車 (幻冬舎文庫)
電車に乗る人々を題材にして、こんなにも多彩な人間模様を編み出せるなんてすごいですね。読んでいて、とても楽しくて最後まで一気に読みふけりました。短編でも連作ものは大好きです。みんな、どこかでちょっとずつ繋がっていく、電車の線路のように一本ではなく分岐線があったりしていろんな道へ方向へ走り出していく様子がたまりません。
読了日:04月11日 著者:有川 浩
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10592987

■水底の森
読了日:04月07日 著者:柴田 よしき
http://book.akahoshitakuya.com/b/4087746879


▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

2011年3月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3245ページ

■PINK (文春文庫)
時期が阪神・淡路大震災の頃に起きたことが重要なキーワードになっているストーリーなので、今のこの大変な時期に重なって気持ちが重くなりました。伏線が散りばめられていて読みやすく、最後もああ、そうだったんだと納得しました。
読了日:03月30日 著者:柴田 よしき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10439631

■最悪 (講談社文庫)
読了日:03月26日 著者:奥田 英朗
http://book.akahoshitakuya.com/b/4062735342

■クロエとエンゾー
丁寧に難解な物語を書く人ですね。こちらも、手抜きしないで真摯に読みふけります。前半と後半の面白さがそれぞれ違っていて、分厚い本なのに楽しめました。クロエってきれいな名前ですね。エンゾーは微妙。
読了日:03月26日 著者:辻 仁成
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10329168

■赦し
読んでいくにつれ、あらら?聞き覚えのある登場人物の名前と背景に「償い」の続編だと気がついた。日高さんのその後の暮らしぶりや、周りとの人間関係、新たな事件、赦されることの重さを意識させられました。
読了日:03月22日 著者:矢口 敦子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10329315

■今日、カレーとシチューどっちがいい? つれづれノート (18) (角川文庫)
銀色さんの谷底でどうしようもなくあがいている感じが、ちょうど私の今の心境とシンクロしていて共感。本当にモヤモヤ感が来ると生き辛いです。 早く、底が抜けたような明るい希望に満ちた光を目指して活動したい。銀色さんは、そういう複雑で言葉で表現しにくいことを、ぐっと掘り下げて書けるのですばらしいと思います。一人暮らしのさくくんを心配&応援しています。
読了日:03月09日 著者:銀色 夏生
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10329242

■この国。 (ミステリー・リーグ)
読了日:03月07日 著者:石持 浅海
http://book.akahoshitakuya.com/b/4562045825

■出会い系のシングルマザーたち―欲望と貧困のはざまで
読了日:03月07日 著者:鈴木 大介
http://book.akahoshitakuya.com/b/4022506938

■子づれシングル―ひとり親家族の自立と社会的支援―
読了日:03月07日 著者:神原 文子
http://book.akahoshitakuya.com/b/4750331856

■ツナグ
使者と書いて「ツナグ」と読むんですね。亡くなった人と生きている人の間を仲介する役目。あちら側とこちら側を流れる刹那的な川のように、もう引き返すことはできない。思ったとおり、せつない話でした。
読了日:03月03日 著者:辻村 深月
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/10006686


▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

2011年2月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2627ページ

■夜は短し歩けよ乙女
初めて読む作者の著書でしたが、おもしろかったです。文体が独白のようでそれぞれの気持ちのあり様が心に染み込んでいきます。文化祭のエピソード、古本市の暑い京都の昼間から、一雨降って夕方の涼しいひとときの雰囲気がとても好きです。私も思わず「なむなむ」なんて言いたくなる感じ。恋の始まり、外堀を埋める平和的なムード、色々な不思議な人物たちが生き生きとして描かれていてみんな良かったです。読後感はほのぼのとして素敵でした。
読了日:02月28日 著者:森見 登美彦
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/9946852

■痺れる
読了日:02月22日 著者:沼田 まほかる
http://book.akahoshitakuya.com/b/433492705X

■ストーリー・セラー
読了日:02月16日 著者:有川 浩
http://book.akahoshitakuya.com/b/4103018739

■1Q84 BOOK 3
読了日:02月13日 著者:村上 春樹
http://book.akahoshitakuya.com/b/4103534257

■私一人
読了日:02月06日 著者:大竹 しのぶ
http://book.akahoshitakuya.com/b/434401040X

■小人たちの新しい家―小人の冒険シリーズ〈5〉 (岩波少年文庫)
読了日:02月06日 著者:メアリー ノートン
http://book.akahoshitakuya.com/b/4001140667

■1Q84 BOOK 2
「知覚するもの」と「受け入れるもの」の役割と、それぞれの人物がどの役割を持つのかわかってきましたね。ふかえりとその父親、ふかえりと天吾、青豆と天吾・・・いろんな組み合わせが違う意味合いを持つから、じっくりと読みこんで考えていく省察が私には楽しい時間でした。それにしても、ふたつある月なんて不気味な表現・・・怖いというか、惧れ多いというか。しかも、ひとつはきれいな月でもうひとつは、小さくてはりぼてのような月だなんて、想像すると肌が粟立つ感じ。
読了日:02月01日 著者:村上 春樹
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/9536560



2011年1月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1783ページ

■深く深く、砂に埋めて
読了日:01月30日 著者:真梨 幸子
http://book.akahoshitakuya.com/b/4062141191

■夏への扉[新訳版]
冬の時代を経験した主人公の技術屋ダンと愛猫ピートの前半の悲惨さはお気の毒でしたが、コールドスリープから目覚めた後のダンの前向きな姿勢とキラリと光る知性に希望を持ちました。人生、本当に山あり谷ありですよね。どんな時も希望を捨てずに、今できる精一杯のことをやっていこうと改めて思いました。自分というものを信じる道を失わないこと。ダンが目覚めた世界は、まさしく夏への扉を開いた風景が広がっていましたね。面白かったです。
読了日:01月30日 著者:ロバート・A・ハインライン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/9503823

■三千枚の金貨 下
芹沢由郎の生い立ちから最期まで、重厚感のある文章で描かれていて読んでいて哀しくなりました。ひどい過去を背負った人間でも、いろんな側面を持ち、関わる相手によって見える部分が違うんだと再確認しました。最後は平和すぎてあり得るか?とちょっと僻み根性・・・。
読了日:01月29日 著者:宮本 輝
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/9487748

■三千枚の金貨 上
私はゴルフのことは全く無知でしたが、ゴルフの話しと金貨にまつわる話と、シルクロードを旅した壮大な話しと他にもちょこちょこと興味のある話が紡がれていて、読んでいて退屈しませんでした。宮本作品は、丁寧に描かれていて大好きです。
読了日:01月29日 著者:宮本 輝
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/9487678

■空をとぶ小人たち―小人の冒険シリーズ〈4〉 (岩波少年文庫)
読了日:01月08日 著者:メアリー ノートン
http://book.akahoshitakuya.com/b/4001140659

■川をくだる小人たち―小人の冒険シリーズ〈3〉 (岩波少年文庫 (064))
読了日:01月05日 著者:メアリー・ノートン
http://book.akahoshitakuya.com/b/4001140640


読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1486ページ

■スリープ
冷凍睡眠装置によって30年もの間眠り続けることになったアリサ。目覚めた世界は30年後の日本。急速な科学の進歩による世界情勢の変化に驚くアリサの心境を思うと、物哀しい気持ちになる。新しい家事のシステムの進歩等、興味深くまるで本当にあり得るような細かい描写にひきこまれていきました。アリサの誕生からその後を考えるとやっぱり哀しいけれど。「夏の扉」読んでみます。
読了日:12月28日 著者:乾 くるみ


■輪廻(RINKAI)
輪廻と書いてあえてリンカイと読ませるんですね。まさに累々とした因縁を感じさせられました。人の魂って負の強い怨念ともなると強く残ってしまうのでしょうか。私は、現代の犯罪史を読むとそうは思えないけれど(もっと惨たらしい犯罪はたくさんある訳だし)お話として読めば興味深く面白い作品だと思いました。
読了日:12月25日 著者:明野 照葉

■野に出た小人たち―小人の冒険シリーズ〈2〉 (岩波少年文庫)
アリエッティ一家が野原を移動して安住の地を求めて、試行錯誤、創意工夫しながら暮らす様が生き生きと描かれていて、頭の中で楽しく想像しながら読み終えました。アリエッティのお転婆さがとてもかわいくて、スピラーの荒々しい優しさと相まってほのぼのとした気分になりました。続きが楽しみです。
読了日:12月18日 著者:メアリー ノートン


■契約 (光文社文庫)
過去の栄光って、人を物悲しくさせると同時にこの程度での人物ではなかったと、ある種の脳内変換が働いて傲慢さが現れて不幸の種まきをしてしまうものなのかもしれません。常に自分という基準を客観的に判断できると良いんですが、なかなか難しいもの。誰だって自分はかわいいですよね。けれど、いじめた側の立場とたじめられた側の立場の記憶の意識の差がこれ程違うというのも恐ろしいと感じます。人間関係は、いくつになっても難しいです。
読了日:12月18日 著者:明野 照葉


■床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)
映画を観てから読みました。どちらも楽しめました。映画は物足りなかったので、その部分が原作によって十分に補われてますますアリエッティの床下生活の様子が想像できて興味深かったです。
読了日:12月07日 著者:メアリー ノートン

読んだ本の数:3冊
読んだページ数:976ページ

■悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)
憂鬱感と厭世観に満ち満ちたたストーリーだった。読み終えた後の余韻が長く続いているので、印象深い作品だと思う。家族関係、血脈とは自分が思う以上に生きる上での軌跡に影響を落とすのだと感じました。それも、人それぞれ受け止め方は違うと思いますが、ここまで変わった家庭環境の中で育った主人公の死への誘惑、そしてその後のちょっぴり都合主義だけど良い予感を感じる終わり方に満足を得られました。
読了日:11月29日 著者:中村 文則

■評決
裁判制度についてストーリーが絡まり合いながら、わかりやすく二組の母子の関係に潜む問題が描かれていて、スムーズに頭に入ってきた。一方は過保護、過干渉の母親に悩む娘の事件。そしてもうひとつは、幼少時からネグレストを受け成人後には寄りかかられて将来の憂いを抱く娘の苦悩。この二人の因縁を感じる出会いと別れ。そして再会がうまく描かれていたように思います。
読了日:11月14日 著者:深谷 忠記

■十字架 (100周年書き下ろし)
とても重いテーマでした。身近な人の命、たまたまクラスメイトになった人の命、命の重みを感じさせる感情の温度差が堪りませんでした。「見殺しクラス」となじられた二年三組のクラスはいつまでもそのままではなくて時間が経過し、当事者とそれ以外の人たちのそれぞれの思惑や姿勢の違いに複雑な思いを抱きました。ナイフの言葉と十字架の言葉・・・最後まで考えさせられながら読み終えました。
読了日:11月14日 著者:重松 清

1 2