サイドシートの窓にうつる運転席の横顔は、疲れた顔。
眠たげな表情。ハッと醒めた気分に戻る。
私は一体何をやっているんだろうと。
夜中のオレンジのランプの下をひた走る真夜中午前3時。
窓の外は、眠った町。音のない駅前のロータリー。動かない車両。
「ワダツミの木」が鳴る白い光の機械とカーナビの光が運転席の
横顔を照らしだして、操作する細長い指をなんとなく見ていた。
少しだけ開けた窓の隙間から、夏の生ぬるい風が吹き込んで
私の髪を揺らす。お気に入りの香水の匂いが流れていく。
けれど、一言もない。
窓から見える橋の常夜灯が、水面に反射してユラユラ照らし
だされ橋桁に反射している。
まるで光のレースのようにきらきら映しだされていくのを、
私は「キレイ」とも言わず黙って、一人きり次々みていく。
今日は名前すら呼ばれない。手のひらに触れることもない。
とにかく疲れてる。眠そうにしている。
疲れているなら、どうしてこんな遠くまで連れてきたの?
近場でも十分場所はあったよね。
気持ちが叫んでても何も言えない。怖くて訊けない・・・
この人には何もいえない。いったとしても、答えは返ってこない。
隣に座る人は、私にとってどんな人?
心を許せる人じゃないのは確かなのに、なぜ一緒にいるの。
こんな山の中で殺されてもおかしくないのに。
隣で寝込んでいる人を置いて、少し歩いて首を巡らせて見上げる
夜空。うろこ雲が一瞬流れていき、見つけたほうき星。
私一人きり。私一人きりだけ星を見つけた。
土と木々と葉っぱの密度の濃い深い匂いを胸一杯に吸い込む。
もう少しで白み始める空。
帰り道も同じ道のり。
たくさんの橋とトンネルを越えて、少しずつ目覚める町。
早朝に散歩したり走ったり、サイクリングしている人たちと
すれ違う。
目を合わせてほほ笑みあうこともなかった。
公園でバイバイ。「おやすみ」と。爽やかにはれた夏の朝に。
ちがうと思うけど?
明け方に見た夢。
私は78枚のフルデッキのタロットで占う。
何度占っても、出るカードは同じ。
別れると。
眠たげな表情。ハッと醒めた気分に戻る。
私は一体何をやっているんだろうと。
夜中のオレンジのランプの下をひた走る真夜中午前3時。
窓の外は、眠った町。音のない駅前のロータリー。動かない車両。
「ワダツミの木」が鳴る白い光の機械とカーナビの光が運転席の
横顔を照らしだして、操作する細長い指をなんとなく見ていた。
少しだけ開けた窓の隙間から、夏の生ぬるい風が吹き込んで
私の髪を揺らす。お気に入りの香水の匂いが流れていく。
けれど、一言もない。
窓から見える橋の常夜灯が、水面に反射してユラユラ照らし
だされ橋桁に反射している。
まるで光のレースのようにきらきら映しだされていくのを、
私は「キレイ」とも言わず黙って、一人きり次々みていく。
今日は名前すら呼ばれない。手のひらに触れることもない。
とにかく疲れてる。眠そうにしている。
疲れているなら、どうしてこんな遠くまで連れてきたの?
近場でも十分場所はあったよね。
気持ちが叫んでても何も言えない。怖くて訊けない・・・
この人には何もいえない。いったとしても、答えは返ってこない。
隣に座る人は、私にとってどんな人?
心を許せる人じゃないのは確かなのに、なぜ一緒にいるの。
こんな山の中で殺されてもおかしくないのに。
隣で寝込んでいる人を置いて、少し歩いて首を巡らせて見上げる
夜空。うろこ雲が一瞬流れていき、見つけたほうき星。
私一人きり。私一人きりだけ星を見つけた。
土と木々と葉っぱの密度の濃い深い匂いを胸一杯に吸い込む。
もう少しで白み始める空。
帰り道も同じ道のり。
たくさんの橋とトンネルを越えて、少しずつ目覚める町。
早朝に散歩したり走ったり、サイクリングしている人たちと
すれ違う。
目を合わせてほほ笑みあうこともなかった。
公園でバイバイ。「おやすみ」と。爽やかにはれた夏の朝に。
ちがうと思うけど?
明け方に見た夢。
私は78枚のフルデッキのタロットで占う。
何度占っても、出るカードは同じ。
別れると。
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