2011年7月の読書メーター
2011年7月31日 読書2011年7月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3200ページ
ナイス数:128ナイス
■アルバトロスは羽ばたかない
独特の書き方をする作家ですよね。前作の時も、慣れるまでちょっと時間がかかったのですが、今回も。でも、夢中になり一気読みでした。前作に続いて舞台は児童養護施設。一人一人の子どもの抱える厳しく切ない問題に深く関わっていく指導員の春菜。そして、その真摯な姿勢に(子どもに深く関わり過ぎる)時に支えながらも危うさを感じ危惧する海王。そして四季ごとに分かれた子ども達の問題を解決した記録が綴られた4冊のノートの持ち主の春菜に訪れた出来事。とにかく、衝撃を受けました。
読了日:07月30日 著者:七河 迦南
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12530614
■加害者家族 (幻冬舎新書 す 4-2)
いきなりかかってきた警察からの電話。「これからご主人に逮捕状が出ます、マスコミに報道されるので早めに子供を連れて自宅を離れた方が良いですよ」という警察からのアドバイス。何も知らなかった加害者家族の驚愕と悲嘆。加害者というのはあくまで身勝手なんだとルポを読んで思いました。被害者に対してはもちろん、被害者の関係者、そして加害者に関わるあらゆる人の人生にまで影響を及ぼして壊してしまう・・・どうやったら犯罪をなくせるか、研究題材にして検証に役立ててほしい一冊です。自戒を込めて。
読了日:07月27日 著者:鈴木 伸元
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12477204
■インシテミル (文春文庫)
十二体のネイティブアメリカン人形、そして誰もいなくなった、クローズドサークル・・・不気味な暗鬼館で起こる殺戮。疑心暗鬼と人間不信に渦巻く十二人の男女の心理的に追い詰められていく部分がゾッとしました。何気なく破天荒な時給につられて応募してきた人たち。そのせいで精神が狂わされて・・・美味しいバイトには裏があるってことがこの夏のホラーにはぴったりの物語でした。(要注意!危険気をつけろの標識がぴったり!!)
読了日:07月24日 著者:米澤 穂信
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12407548
■チッチと子
創作するのは本当に難しいことなんだなぁと改めてわかりました。ひとつひとつの言葉や言い回しを何時間も考えてひねり出したり、バランスを整えたり、作者の大変な努力で一冊がこの世に誕生するんですね。本が完成しても、編集者や装丁家、本屋さんと沢山の人の力で出来上がっていく工程が知ることが出来ました。読者の私は、たいてい簡単に読んで感想を抱いて好き勝手書いて終わりっていうパターンが多かったので、小説家のイメージが変わりました。もっとこれからは作家の思いとや仕掛けなども楽しみ、大切に読んでいきたいと思います。
読了日:07月14日 著者:石田 衣良
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12230792
■往復書簡
十五年後・・・って思いを馳せるにはとても長い年月 ですね。自分の立場から十五年前って何を思いどんな 夢を抱いて暮らしていたのか思い出せないくらい。手紙のやり取りで構成されている本書は、書き手と読み手の想いが交錯されひとつの真実に繋がっていくのを 辿りながら終結するので、時にもどかしく、時に考え込みながらページを捲っていきました。
読了日:07月12日 著者:湊 かなえ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12197316
■なぜ被害者より加害者を助けるのか
犯罪被害者よりも加害者のプライバシーや更生を優先する日本という国の理不尽さを、詳しく弁護士の視点から書かれていてわかりやすかった。けれど、実際に自分がもし被害者の関係者立場に立ったとしたら、国は守ってくれないのかと考えると不安になりました。加害者と被害者。明白な立場の違いがあっても、被害者関係者は十分に守られないという事実が哀しいです。
読了日:07月10日 著者:後藤啓二
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12162998
■女神 (光文社文庫)
女性が、自分よりも美しくなんでもそつなくこなし、エレガントだったらやはり身近な人であればあるほど憧れたり劣等感を感じてしまうことはあると思う。まるで女神のような女性だとしたら・・・何かその完璧すぎる生活のあら探しをしてしまいたくもなるのかな。無理のある設定も多々あったけど、女性心理としてあちら側とこちら側の気持ちが対照的に描かれていて読んでいて何か黒い感情が渦巻いてる印象を受けました。「汝の名」も良かったので、他にも読みたいと思います。
読了日:07月09日 著者:明野 照葉
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12145071
■カワサキ・キッド
努力家で真面目な人なんだなぁと思いました。イメージも合っていたけど、実はあがり症だったとはビックリ。一生の友達について、愛について、両親について尊敬する人について等、生い立ちをありのまま隠さずに振り返っていく作業が丁寧に深く伝わってきて彼に対する印象がまた見直されたような気がする。 昔から変わらない好きな女性のタイプ「頭が良くてぱっちり二重まぶたの人」。彼が選んだ女性を見て納得です。
読了日:07月05日 著者:東山 紀之
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12066374
■かたちだけの愛
事故で車に轢かれた女性の命を助け、その女性の義足を斬新にデザインするデザイナーの物語。愛というものについての考察と母への赦しが軸になった恋愛小説だと感じました。題材が珍しいので興味深いです。女優久美子とデザイナー相良との恋愛の軌跡が深く濃密に描かれていて、人の感情は複雑なんだと改めて思いました。文章がすごく綺麗に飾られていて、ちょっとお腹いっぱいな部分もありますが構成力がしっかりして読みやすいです。文章の表現にすごく気を遣っていると思います。芸能界とデザイナー、義足の分野のこともとても現実的に描かれてます
読了日:07月04日 著者:平野 啓一郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12048400
■追憶列車 (角川文庫)
短編集でどれも毛色が違っているけど、面白かったです。「お蝶ごろし」は時代劇もので最後のシーンが女の性を痛烈に感じてもの哀しかった。「追憶列車」も疎開中の列車を舞台とした人間関係が短いながらも、ボリューム感があってまたもの哀しい気持ちになった。人間の感情の「揺れる」部分が如実に顕されていて、少し感傷的になります。他の作品もたくさん読みたいです。
読了日:07月02日 著者:多島 斗志之
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3200ページ
ナイス数:128ナイス
■アルバトロスは羽ばたかない
独特の書き方をする作家ですよね。前作の時も、慣れるまでちょっと時間がかかったのですが、今回も。でも、夢中になり一気読みでした。前作に続いて舞台は児童養護施設。一人一人の子どもの抱える厳しく切ない問題に深く関わっていく指導員の春菜。そして、その真摯な姿勢に(子どもに深く関わり過ぎる)時に支えながらも危うさを感じ危惧する海王。そして四季ごとに分かれた子ども達の問題を解決した記録が綴られた4冊のノートの持ち主の春菜に訪れた出来事。とにかく、衝撃を受けました。
読了日:07月30日 著者:七河 迦南
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12530614
■加害者家族 (幻冬舎新書 す 4-2)
いきなりかかってきた警察からの電話。「これからご主人に逮捕状が出ます、マスコミに報道されるので早めに子供を連れて自宅を離れた方が良いですよ」という警察からのアドバイス。何も知らなかった加害者家族の驚愕と悲嘆。加害者というのはあくまで身勝手なんだとルポを読んで思いました。被害者に対してはもちろん、被害者の関係者、そして加害者に関わるあらゆる人の人生にまで影響を及ぼして壊してしまう・・・どうやったら犯罪をなくせるか、研究題材にして検証に役立ててほしい一冊です。自戒を込めて。
読了日:07月27日 著者:鈴木 伸元
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12477204
■インシテミル (文春文庫)
十二体のネイティブアメリカン人形、そして誰もいなくなった、クローズドサークル・・・不気味な暗鬼館で起こる殺戮。疑心暗鬼と人間不信に渦巻く十二人の男女の心理的に追い詰められていく部分がゾッとしました。何気なく破天荒な時給につられて応募してきた人たち。そのせいで精神が狂わされて・・・美味しいバイトには裏があるってことがこの夏のホラーにはぴったりの物語でした。(要注意!危険気をつけろの標識がぴったり!!)
読了日:07月24日 著者:米澤 穂信
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12407548
■チッチと子
創作するのは本当に難しいことなんだなぁと改めてわかりました。ひとつひとつの言葉や言い回しを何時間も考えてひねり出したり、バランスを整えたり、作者の大変な努力で一冊がこの世に誕生するんですね。本が完成しても、編集者や装丁家、本屋さんと沢山の人の力で出来上がっていく工程が知ることが出来ました。読者の私は、たいてい簡単に読んで感想を抱いて好き勝手書いて終わりっていうパターンが多かったので、小説家のイメージが変わりました。もっとこれからは作家の思いとや仕掛けなども楽しみ、大切に読んでいきたいと思います。
読了日:07月14日 著者:石田 衣良
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12230792
■往復書簡
十五年後・・・って思いを馳せるにはとても長い年月 ですね。自分の立場から十五年前って何を思いどんな 夢を抱いて暮らしていたのか思い出せないくらい。手紙のやり取りで構成されている本書は、書き手と読み手の想いが交錯されひとつの真実に繋がっていくのを 辿りながら終結するので、時にもどかしく、時に考え込みながらページを捲っていきました。
読了日:07月12日 著者:湊 かなえ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12197316
■なぜ被害者より加害者を助けるのか
犯罪被害者よりも加害者のプライバシーや更生を優先する日本という国の理不尽さを、詳しく弁護士の視点から書かれていてわかりやすかった。けれど、実際に自分がもし被害者の関係者立場に立ったとしたら、国は守ってくれないのかと考えると不安になりました。加害者と被害者。明白な立場の違いがあっても、被害者関係者は十分に守られないという事実が哀しいです。
読了日:07月10日 著者:後藤啓二
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12162998
■女神 (光文社文庫)
女性が、自分よりも美しくなんでもそつなくこなし、エレガントだったらやはり身近な人であればあるほど憧れたり劣等感を感じてしまうことはあると思う。まるで女神のような女性だとしたら・・・何かその完璧すぎる生活のあら探しをしてしまいたくもなるのかな。無理のある設定も多々あったけど、女性心理としてあちら側とこちら側の気持ちが対照的に描かれていて読んでいて何か黒い感情が渦巻いてる印象を受けました。「汝の名」も良かったので、他にも読みたいと思います。
読了日:07月09日 著者:明野 照葉
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12145071
■カワサキ・キッド
努力家で真面目な人なんだなぁと思いました。イメージも合っていたけど、実はあがり症だったとはビックリ。一生の友達について、愛について、両親について尊敬する人について等、生い立ちをありのまま隠さずに振り返っていく作業が丁寧に深く伝わってきて彼に対する印象がまた見直されたような気がする。 昔から変わらない好きな女性のタイプ「頭が良くてぱっちり二重まぶたの人」。彼が選んだ女性を見て納得です。
読了日:07月05日 著者:東山 紀之
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12066374
■かたちだけの愛
事故で車に轢かれた女性の命を助け、その女性の義足を斬新にデザインするデザイナーの物語。愛というものについての考察と母への赦しが軸になった恋愛小説だと感じました。題材が珍しいので興味深いです。女優久美子とデザイナー相良との恋愛の軌跡が深く濃密に描かれていて、人の感情は複雑なんだと改めて思いました。文章がすごく綺麗に飾られていて、ちょっとお腹いっぱいな部分もありますが構成力がしっかりして読みやすいです。文章の表現にすごく気を遣っていると思います。芸能界とデザイナー、義足の分野のこともとても現実的に描かれてます
読了日:07月04日 著者:平野 啓一郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12048400
■追憶列車 (角川文庫)
短編集でどれも毛色が違っているけど、面白かったです。「お蝶ごろし」は時代劇もので最後のシーンが女の性を痛烈に感じてもの哀しかった。「追憶列車」も疎開中の列車を舞台とした人間関係が短いながらも、ボリューム感があってまたもの哀しい気持ちになった。人間の感情の「揺れる」部分が如実に顕されていて、少し感傷的になります。他の作品もたくさん読みたいです。
読了日:07月02日 著者:多島 斗志之
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