心の糸

2010年12月21日 TV
大分前に録画しておいていたままのドラマ「心の糸」を観た。
昨日。

神木隆之介と松雪泰子、谷村美月共演。

音のない世界に生きる人と、そうではない世界に暮らす
人たち。         
音のない世界に生きる母と、聞こえる話せる無限の夢を
抱ける息子。       
音のない世界に生きるガールフレンドとの出会いが、
母子の蜜月期を変化させていく。  

「わたしたちにはできないことが三つあり、
できることが三つある」

静謐な手話で語り合う母子のひそやかさと、手のひらで
物語る激しい感情が胸を打つ作品だった。

松雪泰子のせつない母親の視点にたった、激しくて時に
息苦しくなるくらいの愛情と、それを健気に受け止め続
ける神木隆之介の冷静さと時々哀しいくらい暗い瞳を見
せる表情が、私の心のある場所に触れて何度も何度も
泣きそうになった。
必死に、瞼に力を込めて瞬きしないようにそれだけに
集中した。

この二人の音のない静謐な瞬間での、はげしい心の
ぶつかりあいが私の心の中であえぐように、打ち震えた。
大地が深い息を吸い込んで、息を吐き出すような、
深い溜息のように。

しんとした夜の中で、じっと画面を見続けた。
この二人の俳優は似ている。
手で語る感情と、今にも崩れ落ちそうな瞳から
伝わってくる激情が。

素晴らしい作品だと感じた。感謝します。

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