読んだ本の数:3冊
読んだページ数:976ページ

■悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)
憂鬱感と厭世観に満ち満ちたたストーリーだった。読み終えた後の余韻が長く続いているので、印象深い作品だと思う。家族関係、血脈とは自分が思う以上に生きる上での軌跡に影響を落とすのだと感じました。それも、人それぞれ受け止め方は違うと思いますが、ここまで変わった家庭環境の中で育った主人公の死への誘惑、そしてその後のちょっぴり都合主義だけど良い予感を感じる終わり方に満足を得られました。
読了日:11月29日 著者:中村 文則

■評決
裁判制度についてストーリーが絡まり合いながら、わかりやすく二組の母子の関係に潜む問題が描かれていて、スムーズに頭に入ってきた。一方は過保護、過干渉の母親に悩む娘の事件。そしてもうひとつは、幼少時からネグレストを受け成人後には寄りかかられて将来の憂いを抱く娘の苦悩。この二人の因縁を感じる出会いと別れ。そして再会がうまく描かれていたように思います。
読了日:11月14日 著者:深谷 忠記

■十字架 (100周年書き下ろし)
とても重いテーマでした。身近な人の命、たまたまクラスメイトになった人の命、命の重みを感じさせる感情の温度差が堪りませんでした。「見殺しクラス」となじられた二年三組のクラスはいつまでもそのままではなくて時間が経過し、当事者とそれ以外の人たちのそれぞれの思惑や姿勢の違いに複雑な思いを抱きました。ナイフの言葉と十字架の言葉・・・最後まで考えさせられながら読み終えました。
読了日:11月14日 著者:重松 清

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